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Still Living, a photography exhibit from survivors of DV and sexual assault

Still Living, a photography exhibit from survivors of DV and sexual assault

This article has not yet been translated into English. 17歳で妊娠した彩咲りんさん(仮名)は、病院で「最後に性交渉したのはいつですか」と尋ねられ、答えに迷った。  恥ずかしかったからとか、辛かったからではなく、その意味が理解できなかったからだ。 「性を交渉するって、え? 何ですか? という感じでした」  この時、結婚した5歳年上の夫は「お前は何も知らないから俺が教えてやる」と言った。診察してくれた産婦人科の医師も、夜の巡回診察の時に「また来るからね」などと言いながら、毎回、彩咲さんの足に触れていくような人だったという。  夫自身も子どもの頃に親からの虐待にあった人で、結婚当時、自分は絶対に親のようにはならないと誓ったはずだった。それなのに、4人のうち同居する3人の子どもは今でも父親からの暴力によるPTSD(心的外傷後ストレス)に苦しみ、彩咲さん自身も未だに通院を続ける。  夫とは10年ほど前に離婚が成立した。 今だからこそ笑いながら振り返ることができるようになったが、彩咲さんが元夫の行為は「ドメス
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女性の経験を真剣に語る地図

女性の経験を真剣に語る地図

This article has not yet been translated into English フェミニズムを専門とする米国の研究者、ジョニー・シーガーの著書「THE WOMEN’S ATLAS」を訳したもので、明石書店から2020年10月、日本語版が発行された。1986年に初版が刊行された後、随時データが更新されているロングセラーだ。シーガーが、「本書は単なる女性に関する地図帳ではない。女性の経験を真剣に語るというレンズを通した、フェミニズムによる世界の再地図化だ」と自ら説明している。 その言葉通り、本書では、女性たちの今現在の状況を数値化したデータをグラフや地図全体を通して、カラフルに色分けしている。地域別や国ごとにどのような状況にあるかについて一目瞭然で、比較がしやすい。自分が暮らす国が世界の中でどのような位置付けかについて、「見える化」されているので、瞬時に状況を知ることができるのが特徴だ。 「家父長制」そのものが性差別 本書の最初のテーマは「世界の女性たち」と銘打っており、女性の性のあり方を決めている国家の役割、権力体制が差別状
吉永 磨美
ジェンダー平等、女性登用を訴えメディア労組らが会見

ジェンダー平等、女性登用を訴えメディア労組らが会見

This article has not yet been translated into English 新聞や放送、出版といった日本の伝統的メディアは驚くべき男性支配状態である。 そんな実態を踏まえ、新聞と出版、民間放送の労働組合などが各業界団体に対して、女性を役員や意思決定に関わるポストに積極登用するよう要請した。 多様性のある魅力的なコンテンツをつくり、発信するためには意思決定に関与する層の多様化が不可欠で、社会から強く求められている、としている。 新聞労連と出版労連、民放労連のメディアの3労組と「メディアで働く女性ネットワーク」(WiMN)の代表の女性たちが2月9、10日、東京都内の外国特派員協会(FCCJ)などで記者会見して発表した。 4団体によると、在京・在阪放送局の番組制作部門に女性は0人、新聞社の会社法上の役員は10人、記者のうち広義の管理職は22.4%にとどまっている。主要出版社(41社)では全体として女性の従業員比率は放送や新聞より多く、女性の編集長も多くいるが、その上の役員クラスは8.3%程度と
松元 ちえ
菅政権とメディアをよむ

菅政権とメディアをよむ

産経、読売も批判した施政方針演説 メディアの首相離れ? This article has not yet been translated into English 新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大に直面しながら、対策が後手に回る菅義偉政権への新聞論調が厳しい。1月18日に開会した通常国会での菅首相の施政方針演説には安倍晋三前政権寄りが目立った『読売新聞』や『産経新聞』さえもが否定的な評価だ。 「感染症の不安を解消するために今、何をなすべきか、という強い問題意識が感じられなかったのは残念である」 読売社説(1月19日)はそう言い切った。 産経主張(同)も「首相が国民に協力を求める絶好の機会だったが、通り一遍の語り掛けとなった印象だ」と突き放す。 これに加え、『日本経済新聞』の社説(同)が掲げた見出しは「首相はもっとわかりやすく針路を示せ」だ。師と仰ぐ故・梶山静六氏から聞いたとして菅首相が口にした「国民に負担をお願いする政策も必要になる。その必要性を国民に説明し、理解してもらわなければならない」という教えもむなしく、日経は「その言葉に見合
臺 宏士