石炭事業に融資しないで環境NGOがMUFGに株主提案
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気候変動問題で日本の市民セクターを率いる代表的NGO「気候ネットワーク」と日本でも活動する3つの国際NGOが2021年3月、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)に対し、パリ協定の目標に沿った投融資を実施するための計画の決定とその開示を求める株主提案を提出した。
MUFGは石炭火力発電事業や石炭採掘事業、二酸化炭素の排出をもたらす熱帯林開発などに資金供与を行っている。株主提案は、気候変動の要因になっている事業に対する融資からの事実上の撤退を促すものだ。
気候ネットワークや国際NGOは、MUFGの投融資が、地球の平均気温を産業革命前に比べ1・5~2度以内にとどめるという目標を世界各国が共有したパリ協定に沿っていないと指摘し、パリ協定の目標に適合する融資姿勢への転換を求める。そのうえで、投資家が気候変動リスクを適正に評価できるようにすべきだと訴えている。
気候ネットワークは昨年、みずほFGにも同様の提案を行っている。MUFGに対しては、気候変動につながるビジネスへの融資撤退について、短期、中期、長期の目標を含めた計画の決定を特に明示的に促したという。
昨年、みずほFGは否決
NGOは、昨年のみずほFGに対する環境NGOの株主提案は否決されたが、MUFGへの提案は広い支持を得られる可能性があると期待している。
気候変動問題に取り組む国際NGOが株主提案を行うことは、日本ではまだ珍しいが、世界的には「行動する株主」の提案は増えている。
平田仁子国際ディレクターは「MUFJが化石燃料への融資から軸足を移しきれていないのは、株主にとって大きな不安材料になる。投融資先企業が脱石炭を達成するよう支援計画を示してほしい」と指摘している。
提案を支持する米NGO「レインフォレスト・アクション・ネットワーク」の日本代表・川上豊行さんは「MUFGは膨大な炭素を貯留する熱帯林と泥炭地の破壊事業に資金を提供することで加担している。パリ協定の目標に整合する方針を示す必要がある」と話している。